テックパックは、衣服のアイデアを開発と生産につなぐ実務用の仕様書です。記憶や推測に頼らず、関係者が同じ製品を理解できる内容にする必要があります。見栄えのよい体裁も役立ちますが、洗練された表紙より、正確さ、網羅性、バージョン管理が重要です。
簡単な文書から始め、決定事項が固まるにつれて内容を充実させることができます。提案中の情報、検証済みの情報、量産向けに承認された情報を区別することが大切です。生産チームが、食い違う3つの寸法のうちどれが最新かを推測する必要があってはなりません。
スタイルを明確に識別できるようにする
固有のスタイルコード、製品名、シーズンまたはコレクション、日付、改訂番号、担当者の連絡先から始めます。縫製仕様に影響する場合は、想定する顧客と用途も記載してください。ファイル名を統一し、添付ファイルを1つずつ開かなくても最新版がわかるようにします。
何が、誰によって、いつ変更・承認されたかを示す承認履歴を作成します。フィッティング確認後に袖寸法を変更した場合は、寸法表と変更履歴の両方に改訂内容を記録してください。主要文書に古い値が残ったまま、修正内容をメールだけに記載するのは避けましょう。
ムードだけでなく、衣服そのものを図示する
正確な前面図と背面図を用意します。ポケット口、隠し留め具、裏地の取り付け、内側のラベルなど、全体図だけでは理解しにくい細部は拡大図を加えてください。必要に応じて、縫い目の位置やパーツの配置も示します。
写真は縫製仕様の参考資料として役立ちますが、自社の仕様書の代わりにはなりません。参照写真が示す特徴と、模倣してはならない特徴を明確に記してください。装飾ステッチと構造上の縫い目を区別し、簡略化した図が製造上の思い込みにつながらないようにします。
部材表を作成する
主生地、別布、裏地、芯地、ゴム、ファスナー、ボタン、糸、ラベル、梱包材を列挙します。各項目を特定するのに必要な情報として、組成、構造、必要に応じた目付、色の参照番号、寸法、仕上げ、判明している場合は仕入先コードを記載してください。
見た目が似ていても互換性のない部品は、別々に記載します。ウエスト用のゴムと肩用のゴムは、同じように見えても異なる特性を持つ場合があります。代替案は承認が必要であることを明記してください。部材表は、最終参照サンプルに使われている部品と一致させます。
採寸箇所を定義する
寸法の名称だけでは十分とは限りません。メジャーの開始点と終点、衣服を平置きするかどうか、直線、カーブ、自然な状態、伸ばした状態のどれで測るかを示してください。解釈が分かれやすい箇所には図を使います。
単位を統一して記載します。基準サイズの目標寸法、合意した許容差、サンプルの実測値を記入する欄を用意してください。身体寸法、製品寸法、パターン寸法はそれぞれ用途が異なります。説明のない1つのサイズ表にまとめず、明確に区別してください。
たとえば、ウエストの平置き寸法とウエスト周囲の1周寸法は関連しますが、同じ項目ではありません。単位と測定基準が明確でない「2足す」という指示は使えません。ここで精度を高めれば、デザインではなく解釈の違いによる修正を防げます。
縫製仕様と仕上げを説明する
縫い目の種類、表に見えるステッチの要件、補強箇所、裾、ポケットの取り付け、留め具の詳細を明記します。特定の方法が必須であれば、説明を加えるか、注釈付きの例を添付してください。メーカーから適切な方法を提案してもらえる場合は、その柔軟性を明記します。
プレス、洗い、起毛、その他の仕上げ加工の希望を記載します。加工によって寸法、色、手触りが変わる場合があるため、寸法を希望する加工の前後どちらで確認するかを明記してください。理解していない技術的な工程を要件として記載せず、開発チームに確認を依頼しましょう。
装飾とラベルを指定する
生産に使うアートワークは、文書内のプレビューとは別に用意します。アートワークのバージョン、サイズ、色、向き、配置の基準、希望する装飾方法を明記してください。サイズが変わってもアートワークの寸法を一定にするのか、別のルールに従って変えるのかを示します。
該当する場合は、ブランドラベル、ケア情報、サイズ表示、下げ札、バーコードの要件を追加します。法令表示の内容は、納品先と実際の素材組成に照らして確認する必要があります。ラベルのデザインが魅力的でも、記載内容が正しいとは限りません。
グレーディングと梱包の指示を加える
基準サイズの承認だけで、サイズ展開全体が承認されたことにはなりません。予定するサイズを定義し、専門知識を持つパタンナーとグレーディング方法を合意してください。特に展開サイズの範囲が元の基本パターンの想定を超える場合は、必要に応じて選んだサイズを実物で確認します。
梱包指示には、たたみ方、個別包装、サイズシール、アソート、カートンの要件を記載します。マーケットプレイスや小売業者の独自マニュアルがある場合は、最新版を参照し、最終ラベルデータの提供者を明確にしてください。変更される出荷指示は、安定した衣服の仕様とは分けて管理します。
サンプル作成でテックパックを活用する
サンプルの実測値とフィットに関するコメントを、該当する要件に直接対応させて記録します。指摘事項を、仕様との不一致、デザイン変更案、調査が必要な質問に分類してください。そうすれば、新たな希望が生産上の不良と誤認されるのを防げます。
量産に移行する前に、文書を承認済みサンプルと照合します。アートワーク、ラベル、部品、寸法がすべて同じ改訂版を参照していることを確認してください。リリース済みバージョンをアーカイブし、その後の変更はコストやスケジュールに影響する可能性のある、管理された改訂として扱います。
重要なポイント
- テックパックは、単なる図面ではなく、管理された実務用の仕様書です。
- スタイル、改訂版、素材、寸法、縫製仕様、アートワークを特定する。
- 採寸方法を説明し、単位を統一する。
- サンプルの所見と承認済みの生産要件を分ける。
- 内容を照合した文書を1つリリースし、承認履歴を保存する。
手元の資料を生産ブリーフにまとめる
参照するのは Knapmodのデザイン・開発サービス 衣服に必要な技術面の作業について相談するためにご利用ください。手元にあるスケッチ、サンプル、寸法のアイデアを共有いただければ、不足情報を特定し、効率的で正確な開発プロセスを計画できます。
知ることが、最初の一歩。
次の一歩は、要件を明確にすること。